********************************************************* RIKEN BioResource Center - Japan Collection of Microorganisms JCM Mail News (電子メール版) No. 40 ********************************************************* 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM) から公開している微生物等の最新情報をお届けします。 ━━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 今月のリソース紹介「新種Lactobacillus similisの提唱」 ● DNA-DNAハイブリダイゼーションに関する技術研修実施のお知らせ ● 新規公開微生物株(2010年1月公開) ● 新規公開微生物株由来ゲノムDNA ● 微生物株の寄託ならびに公開の証明書の発行 ● 大量依頼の場合に得られる提供手数料の特典システム導入のお知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 今月のリソース紹介「新種Lactobacillus similisの提唱」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JCMでは2005年より、新規に登録されるすべての細菌、アーキアについて16S rRNA遺伝子配列による品質管理を実施しておりますが、過去に登録された菌株 についても必要に応じて順次同遺伝子解析による学名の正当性確認を行ってい ます。Lactobacillus属には339株の公開株のうち参考株が247株あり、そのうち 1980年代に登録されたものは145株にのぼります。2006年に行ったそれら公開株 についての学名確認の過程で、L. buchneriと同定されていたJCM 2765について は新種であることが推察されました。そこでさらに詳細な分類学的研究を行った 結果、JCM 2765が新種であることを確認し、これに対してLactobacillus similis を提唱しました。JCM 2765はタイのサトウキビ糖蜜から分離された菌株で、1989 年の論文では生化学的性状からL. buchneriと同定されましたが、16S rRNA遺伝 子配列に基づく系統解析ではL. collinoidesならびにL. paracollinoidesの近 縁種であると考えられました。しかしDNA-DNA相同性試験の結果、この両種とは 異なる種であることが示され、さらにリボタイピングの結果もこれらの種とは 明らかに異なるバンドパターンを示したことから、Lactobacillus属の新種と結 論づけました。現在、L. similis JCM 2765 (Type strain) として提供してお ります。 参考文献 Kitahara, M. et al. 2010. Lactobacillus similis sp. nov., isolated from fermented cane molasses. Int. J. Syst. Evol. Microbiol. 60: 187-190. 北原 真樹 (菌株担当者・乳酸菌) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ DNA-DNAハイブリダイゼーションに関する技術研修実施のお知らせ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 理研BRC微生物材料開発室では下記の要領で技術研修を行います。 概 要 微生物の種の分類・同定に重要な技術であるDNA-DNAハイブ リダイゼーション(蛍光標識、マイクロプレート法)について 講義および実習を行います。 研修期間 平成22年3月18日(木)~3月19日(金)(2日間) 実施場所 独立行政法人理化学研究所 微生物系統保存棟内 (埼玉県和光市) 定 員 5名程度 募集期間 平成22年2月1日(月)~2月22日(金) 詳細は < https://www.brc.riken.jp/inf/kensyu/ > をご覧下さい。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 新規公開微生物株(2010年1月公開) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 細菌 Aeromicrobium flavum JCM 16538 Type strain Bifidobacterium sp. JCM 6439 Citrobacter freundii JCM 24004 Corynebacterium lubricantis JCM 16607 Type strain Croceicoccus marinus JCM 14846 Type strain Cryobacterium mesophilum JCM 16539 Type strain Dokdonella soli JCM 15421 Type strain Dyella soli JCM 15423 Type strain Dyella terrae JCM 15424 Type strain Escherichia coli JCM 16574 Escherichia coli JCM 16575 Escherichia coli JCM 24001 Escherichia coli JCM 24002 Escherichia coli JCM 24003 Escherichia coli JCM 24005 Escherichia coli JCM 24006 Escherichia coli JCM 24007 Escherichia coli JCM 24008 Gracilibacillus thailandensis JCM 15569 Klugiella xanthotipulae JCM 16542 Type strain Kocuria koreensis JCM 15915 Type strain Lysobacter enzymogenes subsp. cookii JCM 16562 Type strain Marinifilum fragile JCM 15579 Type strain Marinobacter szutsaonensis JCM 15751 Type strain Marinobacterium nitratireducens JCM 15523 Type strain Marinomonas arenicola JCM 15737 Type strain Mycobacterium noviomagense JCM 16367 Type strain Nesterenkonia alba JCM 16549 Type strain Nocardioides daphniae JCM 16608 Type strain Paenibacillus filicis JCM 16417 Type strain Ponticaulis koreensis JCM 14975 Type strain Pseudomonas pelagia JCM 15562 Type strain Saccharopolyspora antimicrobica JCM 16610 Type strain Spirochaeta stenostrepta JCM 16534 Type strain Streptomyces axinellae JCM 16373 Type strain Streptomyces nanshensis JCM 16226 Type strain Thermaerobacter composti JCM 15650 Type strain Thermodesulfatator atlanticus JCM 15391 Type strain 詳細は以下のサイトをご覧下さい。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/catalogue_J.shtml ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 新規公開微生物株由来ゲノムDNA ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Bifidobacterium longum subsp. infantis JCM 1222 Clostridium paraputrificum JCM 1293 Clostridium pasteurianum JCM 1408 Corynebacterium glutamicum JCM 1318 Corynebacterium kroppenstedtii JCM 11950 Lactobacillus acidophilus JCM 1132 Lactobacillus gasseri JCM 1131 Methanocaldococcus fervens JCM 15782 Methanocaldococcus infernus JCM 15783 Methanopyrus kandleri JCM 9639 Mycobacterium kansasii JCM 6379 Nocardia asteroides JCM 3384 Propionibacterium acnes JCM 6425 Streptococcus oralis JCM 12997 Streptococcus salivarius subsp. thermophilus JCM 20026 詳細は以下のサイトをご覧下さい。 https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 微生物株の寄託ならびに公開の証明書の発行 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology (IJSEM) 誌に新種等を発表される場合、あるいはIJSEM誌の Validation List に新種等の掲載を依頼する場合、当該種等の基準株が2カ国以上のカルチャー コレクションに寄託され、一般に公開されることが求められます。JCMではこの IJSEM 誌の方針にしたがって、保存微生物株の寄託ならびに公開の証明書を発行 しています。詳細につきましては以下のサイトをご覧下さい。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/Depositing_J.shtml#certificate ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 大量依頼の場合に得られる提供手数料の特典システムのご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JCMでは、一度に20株以上お申し込みいただいた場合、申込株数に応じて提供 手数料をディスカウントする特典システムを導入しております。20-49株の場合 は約20%、50株以上の場合は約25%のディスカウントとなります。 本システム専用の微生物材料提供依頼書(書式M-4L)がございますので、以下 からダウンロードの上、お申し込み下さい。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/Ordering_J.shtml#documents ディスカウント手数料に関する詳細は以下をご覧下さい。 https://www.brc.riken.jp/inf/distribute/jcmdiscount.shtml ------------------------ ※ メールでの情報提供受信を中止されたい場合は、微生物材料開発室 (inquiry@jcm.riken.jp)まで「メールニュース不要」の旨をご連絡下さい。 ※ 当メールへのご質問などは、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp) までお送り下さい。 ※ 当メールニュース受信者各位機関のサーバーメインテナンス等によりメール ニュースをお届けできない場合でも、メールニュースの再発行は行いません。 発行済みのメールニュースは当開発室のwebサイトで公開しておりますので そちらをご覧下さい。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/mailnews.shtml ※ 本メールに記載された内容は予告することなく変更することがあります。 ※ 本メールに掲載された記事を許可なく複製・転載することを禁止します。 _____________________________________________ 発行 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室 (JCM) inquiry@jcm.riken.jp http://www.jcm.riken.jp/ 2010年2月2日 _____________________________________________