JCMの紹介

国立研究開発法人理化学研究所バイオリソース研究センター(RIKEN BRC)微生物材料開発室は、 Japan Collection of Microorganisms(JCM)として発足し、1981年より微生物株の収集・保存・提供を行う微生物系統保存事業を実施してきました。2004年の RIKEN BRC への統合後は、これまでの分類学の基準となる微生物株に加え、「環境と健康の研究に資する微生物」に焦点をあてて、社会と研究コミュニティーのニーズに沿った独自のバイオリソース事業を展開することにより、微生物に関連する研究の支援とその発展に貢献することをめざしています。文部科学省の第5期ナショナルバイオリソースプロジェクト (NBRP) の「一般微生物」の中核的拠点機関としての活動も行っています。

RIKEN BRC-JCM は、上述の目的に沿った学術・研究上価値の高い微生物を対象として、2022年10月末現在約31,200株を保有し、このうち細菌(放線菌を含む)約13,900株、アーキア(古細菌)約650株、真菌(酵母と糸状菌)約6,150株、総計 約20,700株を提供対象としています(但しバイオセーフティーレベル1または2の施設で扱える微生物株に限ります)。これらの利用可能な微生物株の情報は JCM 微生物株オンラインカタログで公開しています。微生物のゲノムDNAについても、RIKEN BRC遺伝子材料開発室と共同で提供を行っています。これまでに毎年延べ4,000を超える微生物株を国内外の研究者に提供してご利用いただいています。

微生物バイオリソース事業の充実を図る目的で、継続的な事業の改善を試み、新規微生物の探索とその分類・同定、極限環境微生物や難培養微生物と微生物群集の解析・取扱技術の開発にも取り組んでいます。また、高品質の提供を実施するために、品質マネジメントシステムに関する国際規格 ISO 9001:2015の認証を取得した運営体制としています。さらに、微生物株の利用促進のために、関連の技術研修を実施し、定期的にメールニュースを発信して情報を提供しています。

RIKEN BRC-JCMでは、提供依頼の他に、論文発表をされる(あるいは既にされた)微生物株の寄託または譲渡も承っております。どうぞご利用ください。



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