JCM Mail News No. 37

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RIKEN BioResource Center - Japan Collection of Microorganisms
            JCM Mail News (電子メール版) No. 37
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独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM)
から公開している微生物等の最新情報をお届けします。

━━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
● 今月のリソース紹介「茶カテキン代謝に関与する腸内細菌」
● 新規公開微生物株(2009年9月公開)
● 新規公開微生物株由来ゲノムDNA
● JCMニュースレターNo. 13発行について
● 微生物株の寄託ならびに公開の証明書の発行
● 大量依頼の場合に得られる提供手数料の特典システム導入のご案内
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┃  今月のリソース紹介「茶カテキン代謝に関与する腸内細菌」
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 日本人に馴染みの深い茶カテキンには、血圧上昇抑制作用、血中コレステロ
ール調節作用、血糖値調節作用、抗酸化作用など実に多様な生理活性があるこ
とが報告されています。茶カテキンの主要成分は、エピカテキン(epicatechin、
EC)とそのヒドロキシ体のエピガロカテキン(epigallocatechin、EGC)、お
よびそれらの没食子酸エステルであるエピカテキンガレート(epicatechin gallate、
没食子酸エピカテキン、ECg)とエピガロカテキンガレート(epigallocatechin 
gallate、没食子酸エピガロカテキン、EGCg)の4つです。最近になり、「イソ
フラボン代謝」に関与する Adlercreutzia equolifaciens(JCM Mail News No.
32 <http://www.jcm.riken.jp/JCM/MailNews32.html> を参照)と共生すること
によってカテキン代謝をさらに進める菌株がラットの腸内から分離培養されま
した。A. equolifaciens だけで培養した場合は EGC が EGC-M1 に変換しますが、
ラットの腸内から分離された菌株と混合培養することによってEGCがEGC-M2にま
で変換することが明らかとなっています。これら茶カテキン代謝に関与する腸内
細菌はラットのみならず、ヒトの腸内にも常在していると考えられています。JCM
で提供している菌株は以下のとおりです。

Butyricimonas synergistica               JCM 15148  (Type strain)
Butyricimonas virosa                     JCM 15149  (Type strain)

坂本 光央(協力研究員)

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┃  新規公開微生物株(2009年9月公開)
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細菌
Agrococcus versicolor                    JCM 16026   Type strain
Arthrobacter phenanthrenivorans          JCM 16027   Type strain
Bacillus persepolensis                   JCM 15720   Type strain
Bacteroides pyogenes                     JCM 6294    Type strain
Catenulispora yoronensis                 JCM 16014   Type strain
Clostridium cochlearium                  JCM 1396    Type strain
Desulfovibrio idahonensis                JCM 14124   Type strain
Dietzia cercidiphylli                    JCM 16002   Type strain
Dietzia schimae                          JCM 16003   Type strain
Glycomyces endophyticus                  JCM 16001   Type strain
Leucobacter tardus                       JCM 16030   Type strain
Lutaonella thermophila                   JCM 15069   Type strain
Microlunatus panaciterrae                JCM 16016   Type strain
Micromonospora saelicesensis             JCM 16032   Type strain
Microvirga guangxiensis                  JCM 15710   Type strain
Mycobacterium seoulense                  JCM 16018   Type strain
Paraprevotella clara                     JCM 14859   Type strain
Paraprevotella xylaniphila               JCM 14860   Type strain
Phycicoccus bigeumensis                  JCM 16023   Type strain
Proteocatella sphenisci                  JCM 12175   Type strain
Pseudonocardia ailaonensis               JCM 16009   Type strain
Selenomonas bovis                        JCM 15470   Type strain
Streptomyces durmitorensis               JCM 16011   Type strain

アーキア
Haloterrigena jeotgali                   JCM 14585   Type strain

詳細は以下のサイトをご覧下さい。
http://www.jcm.riken.jp/JCM/catalogue_J.shtml

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┃  新規公開微生物株由来ゲノムDNA 
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Bacteroides thetaiotaomicron             JCM 5827
Bifidobacterium adolescentis             JCM 1275
Bifidobacterium catenulatum              JCM 1194
Blautia hansenii                         JCM 14655
Blautia producta                         JCM 1471
Enterococcus faecalis                    JCM 20313
Neisseria mucosa                         JCM 12992

詳細は以下のサイトをご覧下さい。
https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html

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┃  JCMニュースレターNo. 13発行について
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 過日JCMニュースレターNo. 13を発行しました。本レターはホームページから
PDF版をダウンロードすることができますが、プリント版をご希望の方は
inquiry@jcm.riken.jp宛にご連絡下さい。尚、ニュースレターNo. 12のPDF版も
ホームページからダウンロードすることが可能です <http://www.jcm.riken.jp/
JCM/newsletter.shtml>。
 またニュースレターNo. 12配布時に行いましたアンケート調査結果の一部をホ
ームページに掲載しました <http://www.jcm.riken.jp/JCM/questionnaire09.pdf>。
あわせてご覧いただけましたら幸いです。

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┃  微生物株の寄託ならびに公開の証明書の発行
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 International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology
(IJSEM) 誌に新種等を発表される場合、あるいはIJSEM誌の Validation List
に新種等の掲載を依頼する場合、当該種等の基準株が2カ国以上のカルチャー
コレクションに寄託され、一般に公開されることが求められます。JCMではこの
IJSEM 誌の方針にしたがって、保存微生物株の寄託ならびに公開の証明書を発行
しています。詳細につきましては以下のサイトをご覧下さい。

http://www.jcm.riken.jp/JCM/Depositing_J.shtml#certificate

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┃  大量依頼の場合に得られる提供手数料の特典システムのご案内
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 JCMでは、一度に20株以上お申し込みいただいた場合、申込株数に応じて提供
手数料をディスカウントする特典システムを導入しております。20-49株の場合
は約20%、50株以上の場合は約25%のディスカウントとなります。
 本システム専用の微生物材料提供依頼書(書式M-4L)がございますので、以下
からダウンロードの上、お申し込み下さい。
http://www.jcm.riken.jp/JCM/Ordering_J.shtml#documents
ディスカウント手数料に関する詳細は以下をご覧下さい。
https://www.brc.riken.jp/inf/distribute/jcmdiscount.shtml

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※ メールでの情報提供受信を中止されたい場合は、微生物材料開発室
  (inquiry@jcm.riken.jp)まで「メールニュース不要」の旨をご連絡下さい。
※ 当メールへのご質問などは、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp)
  までお送り下さい。
※ 当メールニュース受信者各位機関のサーバーメインテナンス等によりメール
  ニュースをお届けできない場合でも、メールニュースの再発行は行いません。
  発行済みのメールニュースは当開発室のwebサイトで公開しておりますので
  そちらをご覧下さい。
  http://www.jcm.riken.jp/JCM/mailnews.shtml
※ 本メールに記載された内容は予告することなく変更することがあります。
※ 本メールに掲載された記事を許可なく複製・転載することを禁止します。
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発行
独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター
微生物材料開発室 (JCM)
inquiry@jcm.riken.jp
http://www.jcm.riken.jp/
2009年10月20日
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