JCM Mail News No. 32

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RIKEN BioResource Center - Japan Collection of Microorganisms
            JCM Mail News (電子メール版) No. 32
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独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM)
から公開している微生物等の最新情報をお届けします。

━━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
● 第82回日本細菌学会総会および日本農芸化学会2009年度大会における
  パネル展示のお知らせ
● 今月のリソース紹介「Adlercreutzia equolifaciens の有用性」
● 新規公開微生物株(2009年1月公開)
● 今月のFAQコーナー
● 微生物株の寄託ならびに公開の証明書の発行
● 大量依頼の場合に得られる提供手数料の特典システム導入のお知らせ
● JCM微生物株カタログ第10版(2007年)の発行について
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┃  第82回日本細菌学会総会および日本農芸化学会2009年度大会におけるパネ
┃  ル展示のお知らせ
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 第82回日本細菌学会総会および日本農芸化学会2009年度大会JCMのパネル展示
を行います。本大会にご出席される方はどうぞブースにお立ち寄り下さるよう
ご案内いたします。

 第82回日本細菌学会総会
   展示会期 2009年3月12日(木)- 14日(土)
   展示会場 名古屋国際会議場 イベントホール
        (〒456-0036 名古屋市熱田区西町1番1号)

 日本農芸化学会2009年度大会
   展示会期 2009年3月28日(土)- 29日(日)
   展示会場 マリンメッセ福岡 
        日本農芸化学会2009年度大会附設展示会
        (〒812-0031 福岡市博多区沖浜町7-1)

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┃  今月のリソース紹介「Adlercreutzia equolifaciens の有用性」
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 現在、我が国では「イソフラボン代謝」に高い関心が寄せられています。ご
存知のようにイソフラボンは様々な植物、とくにマメ科植物にフラボノイドと
して存在しています。小腸での消化後、これらは腸粘膜や腸内常在菌によって
ダイゼインやゲニステインに変換されます。ダイゼインから最終産物であるエ
コール(equal)を産生する腸内常在菌として,Adlercreutzia equolifaciens,
Eggerthella spp., Slackia spp.などが知られています。今回ご紹介する新リ
ソースであるA. equolifaciensはヒトの腸内で優勢な常在菌で、これまで分離
されることはありませんでした。今後、これらの菌種を用いた「イソフラボン
代謝」研究の進展が期待されます。どうぞご活用ください。

エコール産生腸内常在菌とその関連菌株のリスト
Adlercreutzia equolifaciens       JCM 14793
Eggerthella hongkongensis         JCM 14552
Eggerthella lenta                 JCM 9979,  JCM 10763, JCM 10764,
                                  JCM 10765, JCM 10766, JCM 10767,
                                  JCM 10768, JCM 10769, JCM 10770,
                                  JCM 10771
Eggerthella sinensis              JCM 14551
Slackia exigua                    JCM 11022
Slackia faecicanis                JCM 14555

辨野義己(室長)

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┃  新規公開微生物株(2009年1月公開)
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細菌
Actinomadura maheshkhaliensis                JCM 13934  Type strain 
Caloramator australicus                      JCM 15081  Type strain 
Granulicoccus phenolivorans                  JCM 15570  Type strain 
Kocuria turfanensis                          JCM 15622  Type strain 
Lactobacillus ceti                           JCM 15609  Type strain 
Lactobacillus delbrueckii subsp. indicus     JCM 15610  Type strain 
Lactobacillus ghanensis                      JCM 15611  Type strain 
Lactobacillus namurensis                     JCM 15612  Type strain 
Lactobacillus nodensis                       JCM 14932  Type strain 
Lactobacillus secaliphilus                   JCM 15613  Type strain 
Luedemannella helvata                        JCM 13251
Microbacterium aquimaris                     JCM 15625  Type strain 
Mycobacterium heckeshornense                 JCM 15655  Type strain 
Nocardioides basaltis                        JCM 14945  Type strain 
Planomicrobium sp.                           JCM 15088
Sharpea azabuensis                           JCM 14210  Type strain 

詳細は以下のサイトをご覧下さい。
http://www.jcm.riken.jp/JCM/catalogue_J.shtml

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┃  今月のFAQコーナー
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 Q1.  微生物株が届いた後すぐに使用できない場合はどうしたら良いですか?
 A1.  乾燥アンプルは短期間であれば4℃暗所で保管出来ます。生菌で提供さ
れた微生物株は保管には向きませんので、受領後できるだけ早く所定の培地に
接種して下さい。

 Q2.  アンプルを受領したが、同封されていたアンプル開封法に書いてある所
定の復元液、所定の培地がオンラインカタログを見てもよく分かりません。
 A2.  JCMオンラインカタログでは、復元液はRehydration fluid、培地は
Medium と表示しています。右横にある数字をクリックすると組成を見る事が出
来ます。

 Q3.  アンプルを復元して、24時間以上培養しても生育しないのですが、死滅
しているのではないでしょうか?
 A3.  一般的に、アンプルからの復元時には生菌からの継代培養時よりも生育
が遅くなる傾向がありますので、1週間程度は培養を継続して様子を見て下さい。
微生物株によってはさらに時間のかかるものもあります。

 Q4.  アンプルを所定の培養条件で培養しても生育しないのですが?
 A4.  要因はいくつか考えられますが、よくある事例として、アンプルを開封
する際にアンプルの周りをアルコール綿で包んだ状態で開封したため、アンプル
の内部にアルコールが入り、菌が死滅してしまう事があります。開封の際は、ア
ンプルの周りをアルコール綿で拭いた後、自然乾燥させてから滅菌ガーゼ等で包
んで開封して下さい。

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┃  微生物株の寄託ならびに公開の証明書の発行
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 International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology
(IJSEM) 誌に新種等を発表される場合、あるいは本誌の Validation List に新
種等の掲載を依頼する場合、当該種等の基準株が2カ国以上のカルチャーコレ
クションに寄託され、一般に公開されることの証明が求められます。JCMではこ
の IJSEM 誌の方針に沿って、保存微生物株の寄託ならびに公開の証明書を発行
しています。(詳細は http://www.jcm.riken.jp/JCM/Depositing_J.shtml を
ご覧下さい。)

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┃  大量依頼の場合に得られる提供手数料の特典システム導入のお知らせ
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 JCMでは、一度に20株以上を提供する場合、申込数に応じて請求代金がディス
カウントされる特典システムを導入しております。20-49株の場合は約20%、50
株以上の場合は約25%ディスカウントの価格となっています。生物遺伝資源提
供同意書に関しては従来どおりです。
本システムには専用の微生物材料提供依頼書(書式M-4L)がありますので、以
下からダウンロードしてください。
http://www.jcm.riken.jp/JCM/Ordering_J.shtml
価格に関する詳細は以下をご覧ください。
https://www.brc.riken.jp/inf/distribute/jcmdiscount.shtml

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┃  JCM微生物株カタログ第10版 (2007年) の発行について
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 RIKEN BRC では上記カタログを発行しております。収載株数は10,731株 [細
菌(放線菌を含む)6,438株、アーキア(古細菌)274株、真菌(糸状菌および
酵母)4,000株、その他 (Prototheca属) 19株]で、価格は 5,250 円 (本体 
5,000 円 + 税) です。

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※ メールでの情報提供受信を中止されたい場合は、微生物材料開発室
  (inquiry@jcm.riken.jp)まで「メールニュース不要」の旨をご連絡下さい。
※ 当メールへのご質問などは、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp)
  までお送り下さい。
※ 当メールニュース受信者各位機関のサーバーメインテナンス等によりメール
  ニュースをお届けできない場合でも、メールニュースの再発行は行いません。
  発行済みのメールニュースは当開発室のwebサイトで公開しておりますので
  そちらをご覧下さい。
  http://www.jcm.riken.jp/JCM/mailnews.shtml
※ 本メールに記載された内容は予告することなく変更することがあります。
※ 本メールに掲載された記事を許可なく複製・転載することを禁止します。
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発行
独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター
微生物材料開発室 (JCM)
inquiry@jcm.riken.jp
http://www.jcm.riken.jp/
2009年3月5日
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