********************************************************* RIKEN BioResource Center - Japan Collection of Microorganisms JCM Mail News (電子メール版) No. 31 ********************************************************* 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM) から公開している微生物等の最新情報をお届けします。 ━━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 嫌気性微生物の培養・保存に関する技術研修実施のお知らせ ● 理研BRC国際シンポジウム「研究基盤用微生物を考える」開催のお知らせ ● 今月のリソース紹介「注目すべき多機能を有する酵母リソース Pseudozyma属酵母の紹介」 ● 新規公開微生物株(2008年12月公開) ● 微生物株の寄託ならびに公開の証明書の発行 ● 大量依頼の場合に得られる提供手数料の特典システム導入のお知らせ ● JCM微生物株カタログ第10版(2007年)の発行について ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 嫌気性微生物の培養・保存に関する技術研修実施のお知らせ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 理研BRC微生物材料開発室では下記の要領で技術研修を行います。 概 要 嫌気性微生物を初めて取り扱う方を対象に、嫌気性細菌・アー キアの培養・保存法等について講義および実習を行います。 研修期間 平成21年3月2日(月)~3月3日(火)(2日間) 実施場所 独立行政法人理化学研究所 和光研究所 微生物系統保存棟内 (埼玉県和光市広沢2-1) 募集期間 平成20年1月19日(月)~1月30日(金)消印有効 詳細は以下のサイトをご覧下さい。 https://www.brc.riken.jp/inf/kensyu/jcm2.shtml ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 理研BRC国際シンポジウム「研究基盤用微生物を考える」開催のお知らせ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 理研BRC国際シンポジウム「研究基盤用微生物リソースを考える」を以下の要 領で開催します。 日時 2009年2月10日(火) 場所 ハイアットリージェンシー東京(東京都新宿区西新宿2-7-2) 参加費 無料 参加申込み 事前登録は締め切りました。未登録で参加ご希望の方は当日 会場の受付でお申し込み下さい。 プログラムは以下の通りです。 第1部 「健康と環境の研究に資する微生物リソース」 (日本語) (昼食を含んで10:00 - 14:45) 1. 嫌気性細菌の酸素適応機構 川崎 信治 (東京農業大学応用生物科学部) 2. 無酸素環境中における微生物の機能と新規分離嫌気性細菌の特徴 上木 厚子 (山形大学農学部) 3. 複合微生物系の培養制御技術の開発と海洋石油汚染浄化への応用 岩淵 範之 (日本大学生物資源科学部) 4. プロバイオティック機能性乳酸菌の探索と将来的利用性 齋藤 忠夫 (東北大学大学院農学研究科) 5. プロバイオティクスの保健効果と腸内環境 -腸内細菌が産生するポリアミンの役割- 松本 光晴 (協同乳業株式会社研究所) 第2部 「アジア地域の微生物リソースとBRC」 (英語) (14:45 - 16:30) 6. The Information Network of BRCs in China and Prototype of Asian BRCs Network Dr. Juncai Ma (CAS. China) 7. Microbial Genomes and Its Application in Korea Dr. Tae Kwang Oh (KRIBB, Korea) 8. Microbial Resources for Pharmaceutically Important Compounds in Thailand Dr. Vullapa Arunpairojana (TISTR, Thailand) 第3部 「特別講演」 (日本語) (16:30 - 17:30) 「嫌気性菌とともに36年」 辨野 義己 (微生物材料開発室室長) また、JCMスタッフによるポスター発表もあわせて展示いたします。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 今月のリソース紹介「注目すべき多機能を有する酵母リソース ┃ Pseudozyma属酵母の紹介」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 最近になり、バイオディーゼルと関連するリパーゼ産生、生分解性プラスチ ック分解活性、バイオサーファクタント機能、微生物農薬と関連する抗真菌活 性などを有する担子菌酵母Pseudozyma属酵母が注目されています。JCMでは、 1998年のThe Yeasts, A Taxonomic Study, 第4版、に収載されたPseudozyma属 7種およびその後に発表された新種の基準株を収集し、環境の研究に資する研究 基盤用酵母リソースの一つとして整備しつつあります。JCMでも独自にこの酵母 を分離し、リソースとして開発中であります。現在、下記のPseudozyma属酵母 10種11株が公開されておりますので、是非ご利用ください(Tはこの種の基準株 であることを示しています)。 Pseudozyma antarctica JCM 3941 Pseudozyma antarctica JCM 10317T Pseudozyma aphidis JCM 10318T Pseudozyma flocculosa JCM 10321T Pseudozyma fusiformata JCM 3931T Pseudozyma graminicola JCM 12496T Pseudozyma parantarctica JCM 11752T Pseudozyma prolifica JCM 10319T Pseudozyma rugulosa JCM 10323T Pseudozyma thailandica JCM 11753T Pseudozyma tsukubaensis JCM 10324T また、農業環境技術研究所の農環研ニュースNo. 80 (2008)によりますと、イネ などの葉の表面から生分解性プラスチック分解菌を発見した際にJCMから提供さ れたPseudozyma属酵母株がお役に立ったようです。さらに、バイオサーファクタ ントに関する研究論文でJCM酵母株が利用された代表例2つを以下に挙げさせて いただきます。ご利用に対しまして感謝申し上げます。 (1) Morita, T., Konishi M., Fukuoka, T., Imura T., Sakai H., and Kitamoto, D. Efficient production of di- and tri-acylated mannosylerythritol lipids as glycolipid biosurfactants by Pseudozyma parantactica JCM 11752T. J. Oleo Sci., 57, 557-565 (2008) (2) Morita, T., Konishi, M., Fukuoka, T., Imura, T., and Kitamoto, D. Microbial conversion of glycerol into glycolipid biosurfactants, mannosylerythiritol lipids, by a basidiomycete yeast, Pseudozyma antarctica JCM 10317T. J. Biosci. Bioeng., 104, 78-81 (2007) 鈴木基文(専任研究員) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 新規公開微生物株(2008年12月公開) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 細菌 Alicycliphilus denitrificans JCM 14587 Alicyclobacillus ferrooxydans JCM 15090 Type strain Amphritea balenae JCM 14781 Type strain Amphritea japonica JCM 14782 Type strain Amycolatopsis australiensis JCM 15587 Type strain Amycolatopsis regifaucium JCM 15588 Type strain Azospirillum sp. JCM 14678 Azospirillum sp. JCM 14727 Barnesiella intestinihominis JCM 15079 Type strain Brevibacterium marinum JCM 15618 Type strain Cellulosimicrobium terreum JCM 15619 Type strain Commensalibacter intestini JCM 15511 Type strain Croceitalea dokdonensis JCM 13826 Type strain Croceitalea eckloniae JCM 13827 Type strain Curtobacterium sp. JCM 14688 Curtobacterium sp. JCM 14689 Desulfosporomusa polytropa JCM 12564 Type strain Dialister succinatiphilus JCM 15077 Type strain Enterobacter sp. JCM 14687 Flavobacterium sp. JCM 14677 Gluconobacter morbifer JCM 15512 Type strain Halomonas salifodinae JCM 14803 Type strain Herbaspirillum sp. JCM 14681 Herbaspirillum sp. JCM 14684 Herbaspirillum sp. JCM 14685 Ideonella sp. JCM 14686 Klebsiella sp. JCM 14683 Kocuria flava JCM 15621 Type strain Lapillicoccus jejuensis JCM 15623 Type strain Leucobacter chromiireducens subsp. solipictus JCM 15573 Type strain Marinobacter mobilis JCM 15155 Marinobacter mobilis JCM 15154 Type strain Marinobacter zhejiangensis JCM 15156 Type strain Methylobacterium sp. JCM 14673 Methylobacterium sp. JCM 14674 Microbacterium profundi JCM 14840 Type strain Microbacterium sp. JCM 14690 Microbacterium sp. JCM 14691 Mycobacterium boenickei JCM 15653 Type strain Mycobacterium brisbanense JCM 15654 Type strain Mycobacterium pseudoshottsii JCM 15466 Type strain Pantoea sp. JCM 14682 Porphyromonas catoniae JCM 13863 Type strain Porphyromonas levii JCM 13866 Type strain Rhodococcus kunmingensis JCM 15626 Type strain Rhodopseudomonas sp. JCM 14675 Rhodospirillum sulfurexigens JCM 14885 Type strain Salinibacterium xinjiangense JCM 13926 Type strain Sphingomonas wittichii JCM 15750 Type strain Terrabacter lapilli JCM 15628 Type strain Tetrasphaera jenkinsii JCM 15590 Type strain Tetrasphaera vanveenii JCM 15591 Type strain Tetrasphaera veronensis JCM 15592 Type strain Unidentified bacterium JCM 14692 Unidentified bacterium JCM 14676 Veillonella magna JCM 15053 Type strain アーキア Halorubrum californiense JCM 14715 Type strain Haloterrigena salina JCM 13891 Type strain 詳細は以下のサイトをご覧下さい。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/catalogue_J.shtml ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 微生物株の寄託ならびに公開の証明書の発行 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology (IJSEM) 誌に新種等を発表される場合、あるいは本誌の Validation List に新 種等の掲載を依頼する場合、当該種等の基準株が2カ国以上のカルチャーコレ クションに寄託され、一般に公開されることの証明が求められます。JCMではこ の IJSEM 誌の方針に沿って、保存微生物株の寄託ならびに公開の証明書を発行 しています。(詳細は http://www.jcm.riken.jp/JCM/Depositing_J.shtml を ご覧下さい。) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 大量依頼の場合に得られる提供手数料の特典システム導入のお知らせ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JCMでは、一度に20株以上を提供する場合、申込数に応じて請求代金がディス カウントされる特典システムを導入しております。20-49株の場合は約20%、50 株以上の場合は約25%ディスカウントの価格となっています。生物遺伝資源提 供同意書に関しては従来どおりです。 本システムには専用の微生物材料提供依頼書(書式M-4L)がありますので、以 下からダウンロードしてください。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/Ordering_J.shtml 価格に関する詳細は以下をご覧ください。 https://www.brc.riken.jp/inf/distribute/jcmdiscount.shtml ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ JCM微生物株カタログ第10版 (2007年) の発行について ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ RIKEN BRC では上記カタログを発行しております。収載株数は10,731株 [細 菌(放線菌を含む)6,438株、アーキア(古細菌)274株、真菌(糸状菌および 酵母)4,000株、その他 (Prototheca属) 19株]で、価格は 5,250 円 (本体 5,000 円 + 税) です。 ------------------------ ※ メールでの情報提供受信を中止されたい場合は、微生物材料開発室 (inquiry@jcm.riken.jp)まで「メールニュース不要」の旨をご連絡下さい。 ※ 当メールへのご質問などは、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp) までお送り下さい。 ※ 当メールニュース受信者各位機関のサーバーメインテナンス等によりメール ニュースをお届けできない場合でも、メールニュースの再発行は行いません。 発行済みのメールニュースは当開発室のwebサイトで公開しておりますので そちらをご覧下さい。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/mailnews.shtml ※ 本メールに記載された内容は予告することなく変更することがあります。 ※ 本メールに掲載された記事を許可なく複製・転載することを禁止します。 _____________________________________________ 発行 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室 (JCM) inquiry@jcm.riken.jp http://www.jcm.riken.jp/ 2009年1月30日 _____________________________________________