レジオネラ症を引き起こすLegionella属細菌

2024/05/22

レジオネラ症を引き起こすLegionella属細菌

レジオネラはレジオネラ肺炎を引き起こすLegionella pneumophilaを含む好気性グラム陰性桿菌の総称です。自然環境中では、主に湖沼や河川などの水圏や土壌に常在する細菌です。ヒトの生活環境中では、空調設備に用いる循環水や入浴施設でしばしば検出され、これらの水を利用する際に発生する微小な水滴(エアロゾル)を介して、ヒトに感染するとされています。厚生労働省および国立感染症研究所の報告では、国内発症例は一年中見られるものの、特に7月、9月に多く、近年の検査法の開発・普及も伴って、報告件数は増加傾向にあります。
微生物材料開発室では、L. pneumophila subsp. pneumophila JCM 7571Tを含め、14種18株を公開しています。うち6株はドラフトゲノムも決定されています。レジオネラはエネルギー源および炭素源としてL-システインやセリン、スレオニンなど特定のアミノ酸を要求する為、一般的な細菌検査用培地では増殖しません。L-システイン塩酸塩やピロリン酸第二鉄、活性炭を含むBCYE培地を用いることで、菌株により異なりますが、2-3日程度で培養可能です。

[参考資料]
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ra/legionella.html

 

Legionella pneumophila subsp. pneumophila JCM 7571T


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