JCM Mail News No. 90


*************************************************************
RIKEN BioResource Center - Japan Collection of Microorganisms
            JCM Mail News (電子メール版) No. 90
*************************************************************

理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM)
が公開している微生物等の最新情報をお届けします。

━━━━  目  次  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
● 今月のリソース紹介「メタン資化性細菌(Methanotrophs)について」
● 新規公開微生物株(2015年4月公開)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃今月のリソース紹介「メタン資化性細菌(Methanotrophs)について」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  メタン資化性細菌は、メタンを唯一の炭素源・エネルギー源として生育する
ことができる好気性細菌の一群で、大部分はメタノールも利用することができ
ます。メタン資化性細菌はメチル資化性細菌(methylotrophs)の一つのグル
ープですが、メチル資化性能が幅広く分布しているのに比べて、メタン資化性
細菌は、一部のガンマプロテオバクテリア(Type I methanotrophs)やアルフ
ァプロテオバクテリア(Type II methanotrophs)に限って知られてきました。
これらの細菌ではメタンはメタノールを経てホルムアルデヒドに変換され、さ
らにリブロースリン酸経路またはセリン経路によって代謝されていきます。
また最近ではVerrucomicrobiaにも高温酸性環境下で生育するメタン資化性細菌
が見つかってきています。メタン資化性細菌は自然界にて温室効果の高いメタ
ンガスの消費に大きく寄与するだけでなく、メタン酸化に共役して様々な有機
物を分解することも知られておりバイオテクノロジー面でも注目されています。
  JCMでは現在以下のメタン資化性細菌を公開しています。また、今後も積極的
にメタン資化性細菌の収集を進めたいと思いますので、寄託したいメタン資化
性細菌をお持ちの方はどうぞお問い合わせ下さい。

Methylogaea oryzae              JCM 16910
Methyloglobulus morosus         JCM 18850
Methylomarinovum caldicuralii   JCM 13666
Methylomarinum vadi             JCM 13665
Methylomonas koyamae            JCM 16701
Methylomonas lenta              JCM 19378
Methyloparacoccus murellii      JCM 19379
Methylosarcina lacus            JCM 13284
Methylosoma difficile           JCM 14076
Methylothermus subterraneus     JCM 13664

伊藤  隆(アーキア・極限環境細菌担当)

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃  新規公開微生物株(2015年4月公開)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
細菌
Anaerobacter polyendosporus           JCM 30710     Type strain
Bizionia psychrotolerans              JCM 19924     Type strain
"Caldisalinibacter kiritimatiensis"   JCM 18664     Proposed type strain
Cellulomonas bogoriensis              JCM 30720     Type strain
Deinococcus citri                     JCM 19024     Type strain
Grimontia hollisae                    JCM 1283      Type strain
Helcobacillus massiliensis            JCM 30721     Type strain
"Leucothrix pacifica"                 JCM 18388
Microcella alkaliphila                JCM 30713
Micromonospora schwarzwaldensis       JCM 30722     Type strain
Mycobacterium algericum               JCM 30723     Type strain
Mycobacterium bourgelatii             JCM 30725     Type strain
Mycobacterium timonense               JCM 30726     Type strain
Nocardia carnea                       JCM 30727     Type strain
Nocardioides zeae                     JCM 30728     Type strain
Novosphingobium marinum               JCM 30307     Type strain
Oceanisphaera sediminis               JCM 17329     Type strain
Oceanisphaera sediminis               JCM 17330
Salinispira pacifica                  JCM 18663     Type strain
Staphylococcus auricularis            JCM 2421      Type strain

真菌
Trichophyton rubrum                   JCM 16487
Trichophyton mentagrophytes           JCM 16488
Penicillium macrosclerotiorum         JCM 16674

詳細は以下のサイトから検索できますのでご利用ください。
https://jcm.brc.riken.jp/ja/catalogue

------------------------
※ メールでの情報提供受信を中止されたい場合は、微生物材料開発室
(inquiry@jcm.riken.jp)まで「メールニュース不要」の旨をご連絡下さい。
※ 当メールへのご質問などは、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp)
までお送り下さい。
※ 当メールニュース受信者各位機関のサーバーメインテナンス等によりメール
ニュースをお届けできない場合でも、メールニュースの再発行は行いません。
発行済みのメールニュースは当開発室のwebサイトで公開しておりますので
そちらをご覧下さい。
https://jcm.brc.riken.jp/ja/mailnews
※ 本メールに記載された内容は予告することなく変更することがあります。
※ 本メールに掲載された記事を許可なく複製・転載することを禁止します。
_____________________________________________
発行
理化学研究所 バイオリソースセンター
微生物材料開発室 (JCM)
inquiry@jcm.riken.jp
https://jcm.brc.riken.jp/ja/
2015年5月27日
_____________________________________________


コメントは受け付けていません。