************************************************************* RIKEN BioResource Center - Japan Collection of Microorganisms JCM Mail News (電子メール版) No. 84 ************************************************************* 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM) が公開している微生物等の最新情報をお届けします。 ━━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 酵母類の取り扱いに関する基礎技術研修のお知らせ ● 今月のトピックス「JCMにおける保存体制と品質管理、特に放線菌の現状に ついて」 ● 特別企画「ナショナルバイオリソースプロジェクト (NBRP)」実物つきパネル 展示のご案内 ● 環境微生物系学会合同大会2014におけるブース展示のご報告 ● 新規公開微生物株(2014年10月公開) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 酵母類の取り扱いに関する基礎技術研修 ~アンプル開封からDNA抽出・PCR ┃ 産物の精製まで~ のお知らせ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JCMでは下記の要領で技術研修を行います。 概 要: 酵母類の同定に有用な遺伝情報(Large subunit rRNA遺伝子の塩 基配列)取得のための、基本的な培養・DNA抽出・PCR法等につい て講義および実習を行います。 研修期間: 平成 27年 1月 29日(木)~30日(金)(2日間) 実施場所: 独立行政法人理化学研究所(筑波地区) 情報・微生物棟内 (茨城県つくば市高野台3-1-1) 詳細はホームページでご案内予定です。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 今月のトピックス「JCMにおける保存体制と品質管理、特に放線菌の現状に ┃ついて」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JCMでは設立当初から、原則すべての株を複数の方法、すなわち-80℃での凍結 法(ディープフリーザー中)、約-160℃での凍結法(液体窒素気相中)及び凍結 乾燥法またはL乾燥法(乾燥後4℃)で保存しています。これらのうち、凍結乾燥 またはL乾燥アンプルはユーザーへの提供に用いられ、凍結保存は主に提供用ア ンプルの補充作製するためのシードとして用いています。また、災害や不測の事 故が起こったときに貴重な微生物株が失われないよう、危険分散として兵庫県佐 用郡佐用町の理研播磨事業所内の液体窒素タンクにも菌株のコピーを保存してい ます。 JCMでは2007年にISO 9001の認証を取得し、品質マネジメントシステムの下、 高品質な微生物株リソースの収集、保存、提供を目指して一層の努力を行ってい るところです。微生物株の受け入れ時並びに保存標品作製時には、生残性、コロ ニー形態や細胞形態並びにコンタミネーションの有無などを確認します。また、 特に放線菌や糸状菌など特徴的な胞子を形成するものは、その形態の確認と胞子 形成に適した培地の検討なども合わせて行っています。凍結保存と乾燥アンプル の作製にあたっては、菌体を分散媒に懸濁したのち、凍結あるいは乾燥の前後で 上記の項目を確認し、凍結や乾燥による生残性の低下や形態の変化がないかを確 認しています。なお、アンプルの乾燥後の確認時には、37℃、2~4週間加温した 標品を用いた加速保存試験を行っています。 放線菌を含む細菌・アーキアでは、保存株の正当性をより客観的に判断するた め、2005年頃からは16S rRNA 遺伝子の配列による遺伝子検査を導入し、特に新 規寄託(または譲渡)菌株については、2011年以降は遺伝子検査に合格しなけれ ば受け入れができないようにルール化しています。放線菌及び関連細菌、 Bacillacles目のThermoactinomycetaceae科については既保存株の遺伝子検査も 並行して行っており、現在のところ対象の公開株3,810株のうち、76%について検 査が終了しています。今後も全公開株の遺伝子検査を完了するべく継続して参り ます。なお、オンラインカタログ上に遺伝子検査終了株か否かを表示することを 現在計画しておりますが、お問い合わせいただければ情報を提供いたしますので、 inquiry@jcm.riken.jpまでご連絡下さい。 工藤 卓二(放線菌・好気性細菌担当) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 特別企画「ナショナルバイオリソースプロジェクト (NBRP)」 ┃ 実物つきパネル展示のご案内 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JCMは「一般微生物」担当として文部科学省ナショナルバイオリソースプロジ ェクトに参加しています。来る11月25日(火)から3日間、第37回日本分子生物 学会年会・特別企画「ナショナルバイオリソースプロジェクト (NBRP)」におい て、NBRPを中心に国内で進められているバイオリソース事業を紹介いたします。 この中で、JCMのリソースについてデータベースのデモや様々な資料を用意し てわかりやすく解説いたします。皆様のご来場を心よりお待ちしております。 展示の終了時間が、先月のメールニュースでお知らせした時間よりも延長されて おりますので、是非お立ち寄りください。 日時:2014年11月25日(火)~27日(木) 10:00~19:30 会場:第37回日本分子生物学会年会 附設展示会場 NBRPコーナー(パシフィコ横浜 展示スペース) 〒220-0012 横浜市西区みなとみらい1-1-1 TEL:045-221-2155(代) 詳細は http://www.nbrp.jp/ をご覧ください。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 環境微生物系学会合同大会2014におけるブース展示のご報告 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 環境微生物系学会合同大会2014(浜松、2014年10月)でのJCMブース展示に多 くの方々にお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。研究や仕事の内 容・入手したい微生物株・培養方法・MTAなどに関する貴重な意見・希望・質問 をいただきましたので、良く検討して事業の参考とさせていただきます。今後と もよろしくお願い申し上げます。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 新規公開微生物株(2014年10月公開) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 細菌 Actinomadura geliboluensis JCM 19952 Type strain Actinoplanes abujensis JCM 19953 Type strain Aggregatibacter actinomycetemcomitans JCM 30399 Alicyclobacillus cellulosilyticus JCM 18487 Type strain Bacillus pakistanensis JCM 18975 Type strain Dietzia lutea JCM 19954 Type strain Eilatimonas milleporae JCM 30196 Type strain Fulvimonas yonginensis JCM 19945 Type strain Geobacter anodireducens JCM 30203 Type strain Idiomarina planktonica JCM 19263 Type strain Mycetocola manganoxydans JCM 19955 Type strain Mycobacterium koreense JCM 19956 Type strain Mycobacterium yongonense JCM 19957 Type strain Nocardia goodfellowii JCM 19958 Type strain Nocardia thraciensis JCM 19959 Type strain Oligoflexus tunisiensis JCM 16864 Type strain Propionispira arcuata JCM 16475 Type strain "Roseomonas alkaliterrae" JCM 19656 Proposed type strain Sinomonas albida JCM 30149 Type strain Sinomonas soli JCM 19961 Type strain Sinosporangium album JCM 19962 Type strain Sphingobium yanoikuyae JCM 30198 Streptomyces daliensis JCM 19963 Type strain Streptomyces nanhaiensis JCM 19964 Type strain Symbiobacterium ostreiconchae JCM 15048 Type strain Symbiobacterium terraclitae JCM 15997 Type strain Symbiobacterium turbinis JCM 15996 Type strain Terrabacter koreensis JCM 19342 Type strain Williamsia limnetica JCM 19965 Type strain Yaniella soli JCM 19966 Type strain Zhizhongheella caldifontis JCM 19651 Type strain アーキア Methanosarcina spelaei JCM 18469 Type strain 真菌 Scolecobasidium humicola JCM 18341 Scolecobasidium humicola JCM 18342 Scolecobasidium humicola JCM 18343 Scolecobasidium humicola JCM 18344 Scolecobasidium humicola JCM 18345 Scolecobasidium humicola JCM 18348 Scolecobasidium humicola JCM 18349 Scolecobasidium humicola JCM 18350 Scolecobasidium humicola JCM 18351 Scolecobasidium sp. JCM 18352 詳細は以下のサイトから検索できますのでご利用ください。 https://jcm.brc.riken.jp/ja/catalogue ------------------------ ※ メールでの情報提供受信を中止されたい場合は、微生物材料開発室 (inquiry@jcm.riken.jp)まで「メールニュース不要」の旨をご連絡下さい。 ※ 当メールへのご質問などは、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp) までお送り下さい。 ※ 当メールニュース受信者各位機関のサーバーメインテナンス等によりメール ニュースをお届けできない場合でも、メールニュースの再発行は行いません。 発行済みのメールニュースは当開発室のwebサイトで公開しておりますので そちらをご覧下さい。 https://jcm.brc.riken.jp/ja/mailnews ※ 本メールに記載された内容は予告することなく変更することがあります。 ※ 本メールに掲載された記事を許可なく複製・転載することを禁止します。 _____________________________________________ 発行 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室 (JCM) inquiry@jcm.riken.jp https://jcm.brc.riken.jp/ja/ 2014年11月20日 _____________________________________________