********************************************************* RIKEN BioResource Center - Japan Collection of Microorganisms JCM Mail News (電子メール版) No. 69 ********************************************************* 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM) が公開している微生物等の最新情報をお届けします。 ━━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 今月のリソース紹介「ユニークな地衣様糸状菌Dictyocatenulata albaにつ いて」 ● 第7回日本ゲノム微生物学会年会および日本農芸化学会2013年度大会における パネル展示のお知らせ ● 新規公開微生物株(2013年1月公開) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 今月のリソース紹介「ユニークな地衣様糸状菌Dictyocatenulata ┃ albaについて」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私たちが30年にわたりこつこつ採集分離し、JCMにしか分離株がないユニーク な地衣様糸状菌について紹介いたします。Dictyocatenulata albaは1属1種の糸 状菌として、アメリカのブナ樹皮より採集された標本を基に1967年に設立されま した。Seifert et al. (1987) は日本を含む他の地域からの採集記録をまとめ、 原記載を補足するために詳細な再記載を行いました。その際、日本産分離株 (JCM 5358-5360) も用いられましたが、生育が極めて遅く、胞子形成しませんで した。近年、D. albaは地衣として扱われるようになってきましたが、共生藻の 特定は未だなされず、地衣としての詳細は不明です。An et al. (2012) は、 その後新たに日本で採集分離された標本と菌株 (JCM 8401, JCM 12918) を加え て、リボソーム遺伝子とその挿入配列を詳細に検討し、日本産のD. albaが少な くとも3つの隠蔽種よりなる集合種であることをその系統的位置と共に明らかに しました。本菌群の子実体(シンネマ)と分生子塊は天然基質上で白色ですが、 分離株はPDA上で長期培養すると淡赤色~淡橙色となり、多くの地衣類のように 生育が極めて遅く、密集した固いコロニーを形成します。昨年秋、私たちは長野 県においてD. albaを採集分離しましたので、JCMよりいずれ公開する予定です。 このように、JCMは他のコレクションにないユニークな菌株も提供保存しており ます。 参考文献 An et al. 2012. Molecular phylogenetic analyses based on the nuclear rRNA genes and the intron-exon structures of the nuSSU rRNA gene in Dictyocatenulata alba (anamorphic Ascomycota). Fungal Biol 116:1134-1145. Seifert et al. 1987. The synnematous hyphomycete Dictyocatenulata alba. Mycologia 79:459-462. 岡田 元(糸状菌担当) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 第7回日本ゲノム微生物学会年会および日本農芸化学会2013年度大 ┃ 会におけるパネル展示のお知らせ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第7回日本ゲノム微生物学会年会および日本農芸化学会2013年度大会において JCMのパネル展示を行います。本大会にご出席される方はどうぞブースにお立ち 寄り下さいますようご案内いたします。 第7回日本ゲノム微生物学会年会 展示会期 2013 年 3 月 8 日(金)- 10日(日) 展示会場 長浜バイオ大学 (〒526-0829 滋賀県長浜市田村町1266) 日本農芸化学会2013年度大会 展示会期 2013 年 3 月 25日(月)- 27日(水) 展示会場 東北大学川内キャンパス (〒980-8576仙台市青葉区川内41) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 新規公開微生物株(2011年1月公開) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 細菌 Advenella faeciporci JCM 17746 Type strain "Albirhodobacter marinus" JCM 17680 Proposed type strain Altererythrobacter troitsensis JCM 17037 Type strain Bacillus boroniphilus JCM 21737 Brevibacterium daeguense JCM 17458 Type strain Clostridium beijerinckii JCM 7990 Clostridium beijerinckii JCM 7997 Deinococcus humi JCM 17915 Type strain Desulfobulbus marinus JCM 13489 Type strain Fimbriimonas ginsengisoli JCM 17079 Type strain "Flavobacterium cheonhonense" JCM 17064 Proposed type strain Galenea microaerophila JCM 17795 Type strain "Geodermatophilus soli" JCM 17785 "Geodermatophilus terrae" JCM 17786 Gibbsiella dentisursi JCM 17201 Type strain Gordonia alkaliphila JCM 18077 Type strain Kaistia defluvii JCM 18034 Type strain Kistimonas scapharcae JCM 17805 Type strain Kordiimonas aestuarii JCM 17742 Type strain "Lactobacillus hokkaidonensis" JCM 18460 "Lactobacillus hokkaidonensis" JCM 18461 "Lactobacillus hokkaidonensis" JCM 18462 "Lactobacillus hokkaidonensis" JCM 18463 Legionella cardiaca JCM 17854 Type strain "Marinivirga aestuarii" JCM 17452 Neptunomonas concharum JCM 17730 Type strain Parasphingopyxis lamellibrachiae JCM 15549 Type strain Parvibaculum hydrocarboniclasticum JCM 16666 Type strain "Pedobacter jeongneungensis" JCM 17626 Proposed type strain Pricia antarctica JCM 17291 Type strain Rhodanobacter caeni JCM 16242 Type strain Rhodanobacter caeni JCM 16243 Roseomonas riguiloci JCM 17520 Type strain Ruegeria conchae JCM 17315 Type strain Sphingobacterium nematocida JCM 17339 Type strain Sphingomonas cynarae JCM 17498 Type strain Stenotrophomonas maltophilia JCM 14159 "Streptomyces chiangmaiensis" JCM 16577 "Streptomyces lannensis" JCM 16578 Thermovum composti JCM 17863 Type strain Winogradskyella damuponensis JCM 17633 Type strain 真菌 Ascoidea rubescens JCM 7605 Cephaloascus fragrans JCM 7608 Cephaloascus fragrans JCM 7613 Type strain Rhodosporidium toruloides JCM 3792 Type strain Rhodotorula creatinivora JCM 11636 詳細は以下のサイトから検索できますのでご利用ください。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/catalogue_J.shtml ------------------------ ※ メールでの情報提供受信を中止されたい場合は、微生物材料開発室 (inquiry@jcm.riken.jp)まで「メールニュース不要」の旨をご連絡下さい。 ※ 当メールへのご質問などは、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp) までお送り下さい。 ※ 当メールニュース受信者各位機関のサーバーメインテナンス等によりメール ニュースをお届けできない場合でも、メールニュースの再発行は行いません。 発行済みのメールニュースは当開発室のwebサイトで公開しておりますので そちらをご覧下さい。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/mailnews.shtml ※ 本メールに記載された内容は予告することなく変更することがあります。 ※ 本メールに掲載された記事を許可なく複製・転載することを禁止します。 _____________________________________________ 発行 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室 (JCM) inquiry@jcm.riken.jp http://www.jcm.riken.jp/ 2013年2月19日 _____________________________________________