********************************************************* RIKEN BioResource Center - Japan Collection of Microorganisms JCM Mail News (電子メール版) No. 66 ********************************************************* 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM) が公開している微生物等の最新情報をお届けします。 ━━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● JCMの移転について ● 遺伝子組換え生物の不適切な使用等の再発防止について ● 今月のリソース紹介「日本原産新規酢酸菌」 ● 新規公開微生物株(2012年7-9月公開) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ JCMの移転について ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JCMは、設立以来、理化学研究所和光研究所(埼玉県和光市)で事業を行って まいりましたが、本年10月より同研究所筑波研究所(茨城県つくば市)に移転し、 事業を行っております。「微生物材料の提供」の依頼先は従来どおり変更はあり ませんが、「寄託・譲渡」の宛先が下記のとおり変更になります。 提供依頼宛先: 〒305-0074 茨城県つくば市高野台3-1-1 独立行政法人 理化学研究所 筑波研究所 企画課 バイオリソースセンター受付 寄託・譲渡の微生物株送付先: 〒305-0074 茨城県つくば市高野台3-1-1 独立行政法人 理化学研究所 筑波研究所 バイオリソースセンター微生物材料開発室 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 遺伝子組換え生物の不適切な使用等の再発防止について ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JCMでは1999年に寄託を受けた遺伝子組換え菌株1株を、「遺伝子組換え生物等 の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(平成15年法律第97号) に基づく表示および情報提供を行わずに保管、運搬並びに提供を行っていました。 このことについて、文部科学省より10月4日に厳重注意を受けました。今後、同 様の事案が発生しないよう、リソース事業において微生物を受入れる際の管理体 制の見直し、遺伝子組換え生物等の使用等に係る定期的な調査、関係者への再教 育といった再発防止策を実施する所存です。 遺伝子組換え生物の不適切な使用等を行っていたことについて深くお詫び申し 上げます。 また、これに伴い理研バイオリソースセンターからの微生物材料の提供を9月5 日から中止したことで、関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお 詫び申し上げます。 http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2012/121004/index.html#01 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 今月のリソース紹介「日本原産新規酢酸菌」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 食酢(ビネガー)は記録によると、紀元前 5000 年頃には存在していたとされ、 日本の最古の記録では4世紀末から5世紀初頭に中国から和泉(現在の大阪府南部) に伝わったとされています。食酢は人工調味料として広く利用されますが、その 他にも、古くから知られている効果としては防腐・静菌作用があります。この効 果を利用して、食酢は酢漬けなど食品の保存や時には抗生物質として病気の予防 に使われてきました。近年では、健康食品として注目されるようになり、日本国 内だけでも、柏酢、玄米酢、黒酢、柿酢、もろみ酢など 100 種類以上に及ぶ食 酢が製造されています。このような食酢醸造の重要性から、古くから食酢醸造に 関与する酢酸菌は注目されてきました。 また、一部の酢酸菌(Gluconacetobacter xylinus など)はセルロース生成能 を有し、ナタ・デ・ココや紅茶キノコなどの生産に利用されています。酢酸菌の 生産するセルロースは、均質なセルロース・コロイドのゲルであることから、バ イオセルロース、セルロース・ナノ繊維としての工業利用も期待されています。 その一方で、日本に着目すると、日本特有の食酢製品が数多く存在するにも関 わらず、世界的な研究の動向に比べ酢酸菌研究の進展は乏しい状況です。本年、 以下の日本原産の酢酸菌が誌上報告され、公開に至りましたので、紹介致します。 "Acetobacter okinawensis" JCM 15829, JCM 25146, JCM 25147, JCM 25387, JCM 25390, JCM 25401, JCM 25402 "Acetobacter papayae" JCM 25143, JCM 25144 "Acetobacter persicus" JCM 25330, JCM 25332 Gluconacetobacter kakiaceti JCM 25156, JCM 25160 Gluconacetobacter asukensis JCM 17772 Gluconacetobacter tumulicola JCM 17773, JCM 17774, JCM 17775, JCM 17776, JCM 17777 飯野 隆夫(好気性細菌担当) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 新規公開微生物株(2012年7-9月公開) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 細菌 "Acetobacter okinawensis" JCM 15829 "Acetobacter okinawensis" JCM 25146 Proposed type strain "Acetobacter okinawensis" JCM 25147 "Acetobacter okinawensis" JCM 25387 "Acetobacter okinawensis" JCM 25390 "Acetobacter okinawensis" JCM 25401 "Acetobacter okinawensis" JCM 25402 "Acetobacter papayae" JCM 25143 Proposed type strain "Acetobacter papayae" JCM 25144 "Acetobacter persicus" JCM 25330 Proposed type strain "Acetobacter persicus" JCM 25332 Actinokineospora soli JCM 17695 Type strain Alishewanella tabrizica JCM 17275 Type strain Aquimarina mytili JCM 17454 Type strain Caldicoprobacter algeriensis JCM 16184 Type strain Escherichia coli JCM 18426 Flavobacterium compostarboris JCM 16527 Type strain Fulvivirga imtechensis JCM 17390 Type strain Geodermatophilus nigrescens JCM 18056 Type strain Georgenia daeguensis JCM 17459 Type strain Gluconacetobacter asukensis JCM 17772 Type strain Gluconacetobacter kakiaceti JCM 25156 Type strain Gluconacetobacter kakiaceti JCM 25160 Gluconacetobacter tumulicola JCM 17774 Type strain Halanaerobacter jeridensis JCM 16696 Type strain "Lactobacillus delbrueckii subsp. sunkii" JCM 17838 Marinobacter xestospongiae JCM 17469 Type strain Methylomonas koyamae JCM 16701 Type strain "Microlunatus terrae" JCM 17661 Proposed type strain "Nonomuraea monospora" JCM 16114 Nonomuraea soli JCM 17347 Type strain Postechiella marina JCM 17630 Type strain Promicromonospora thailandica JCM 17130 Type strain Pseudonocardia adelaidensis JCM 18302 Type strain Pseudonocardia eucalypti JCM 18303 Type strain Pseudonocardia yuanmonensis JCM 18055 Type strain Salinisphaera halophila JCM 17431 Type strain Salinisphaera orenii JCM 17073 Type strain "Siansivirga zeaxanthinifaciens" JCM 17682 Sphingomonas endophytica JCM 17394 Type strain Sphingomonas polyaromaticivorans JCM 16711 Type strain Streptomyces shaanxiensis JCM 16925 Type strain Tepidibacter mesophilus JCM 16806 Type strain "Thermoactinospora rubra" JCM 17697 Proposed type strain "Thermoactinospora rubra" JCM 17699 Variovorax defluvii JCM 17804 Type strain Vibrio jasicida JCM 16453 Type strain Vibrio jasicida JCM 16454 Vibrio jasicida JCM 16455 アーキア Acidilobus saccharovorans JCM 18335 Type strain Fervidicoccus fontis JCM 18336 Type strain Methanobacterium lacus JCM 17760 Type strain Methanocella conradii JCM 17849 Type strain "Natrinema salaciae" JCM 17868 "Natrinema salaciae" JCM 17869 真菌 Grosmannia yunnanensis JCM 14938 ex-holotype strain 詳細は以下のサイトから検索できますのでご利用ください。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/catalogue_J.shtml ------------------------ ※ メールでの情報提供受信を中止されたい場合は、微生物材料開発室 (inquiry@jcm.riken.jp)まで「メールニュース不要」の旨をご連絡下さい。 ※ 当メールへのご質問などは、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp) までお送り下さい。 ※ 当メールニュース受信者各位機関のサーバーメインテナンス等によりメール ニュースをお届けできない場合でも、メールニュースの再発行は行いません。 発行済みのメールニュースは当開発室のwebサイトで公開しておりますので そちらをご覧下さい。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/mailnews.shtml ※ 本メールに記載された内容は予告することなく変更することがあります。 ※ 本メールに掲載された記事を許可なく複製・転載することを禁止します。 _____________________________________________ 発行 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室 (JCM) inquiry@jcm.riken.jp http://www.jcm.riken.jp/ 2012年10月31日 _____________________________________________