********************************************************* RIKEN BioResource Center - Japan Collection of Microorganisms JCM Mail News (電子メール版) No. 65 ********************************************************* 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM) が公開している微生物等の最新情報をお届けします。 ━━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● JCMの移転に伴う提供・寄託・譲渡に関するお知らせとお願い ● 今月のリソース紹介「プラズマサイトイド樹状細胞を直接活性化する Lactococcus lactis subsp. lactis について」 ● 日本乳酸菌学会2012年度大会(於つくば国際会議場)参加報告 ● 新規公開微生物株(2012年6月公開) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ JCMの移転に伴う提供・寄託・譲渡に関するお知らせとお願い ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JCMは、設立以来、理化学研究所和光研究所(埼玉県和光市)で事業を行って まいりましたが、本年9月より同研究所筑波研究所(茨城県つくば市)に移転し、 事業を継続することになりました。本移転に際し、以下のような処置をとらせて いただきたく、お知らせ申し上げます。 「微生物材料の提供」 (1)発送の遅延について 提供のご依頼は移転期間中も従来通り受け付けますが、移転作業に伴い、若干 の遅れが生じる可能性があります。特に、凍結乾燥アンプル以外での提供につき まして遅れが生じる可能性が考えられます。極力、遅延が生じないように努めま すが遅れが生じた場合はご理解のほどお願い申し上げます。 (2)提供依頼宛先について 提供依頼先は、変更はございません。 (移転前、移転後共) 〒305-0074 茨城県つくば市高野台3-1-1 独立行政法人 理化学研究所 筑波研究所 企画課 バイオリソースセンター受付 「微生物材料の寄託・譲渡」 (1)手続きの一時休止について 機器等の移設に伴い、微生物株の培養・保存ができない期間が発生しますので、 その間は寄託・譲渡の受け付けを休止させていただきます。時期・期間につきま しては、8月15日から1.5ヶ月程度を予定しております。近々ご寄託・譲渡を予定 されている方にはご不便をおかけいたしますが、この時期を避けていただきます ようお願いいたします。具体的な受付休止期間は、日程の詳細が決まり次第、 ホームページ等でお知らせいたします。 (2)寄託・譲渡宛先の変更について 寄託・譲渡される微生物株の宛先は、移転前と移転後では以下のとおり変更と なります。移転後に旧宛先へお送りいただいた場合、微生物株の紛失、死滅等の 責任は負いかねますのでご留意下さい。 寄託・譲渡の微生物株送付先: (移転前) 〒351-0198 埼玉県和光市広沢2-1 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター微生物材料開発室 (移転後) 〒305-0074 茨城県つくば市高野台3-1-1 独立行政法人 理化学研究所 筑波研究所 バイオリソースセンター微生物材料開発室 本件についてのお問い合せは、inquiry@jcm.riken.jp までお願いいたします。 ユーザーの皆様、関係者の皆様に大変ご不便をおかけすることになりますが、 ご理解とご協力の程、何卒宜しくお願い申し上げます。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 今月のリソース紹介「プラズマサイトイド樹状細胞を直接活性化する ┃ Lactococcus lactis subsp. lactis について」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805 が免疫細胞であるプラズマサイ トイド樹状細胞を直接活性化することが PLoS ONE に掲載されました。この論文 では、マウス由来のプラズマサイトイド樹状細胞が、乳酸菌の接触によりインター フェロン-αを産生するかを実験したところ、125株の乳酸菌のうち13株だけに明 らかに高い産生能があったと報告されています。その13株の中でも特に産生能が 高かった L. lactis subsp. lactis JCM 5805 と L. lactis subsp. lactis JCM 20101 の2株についてはさらに詳細な実験が行われています。JCM 5805 の免疫機 能増強効果が明らかになったことから、JCM 5805 がヒトの健康促進に応用される ことが期待されます。 Jounai, K. et al. (2012). Spherical lactic acid bacteria activate plasmacytoid dendritic cells immunomodulatory function via TLR9-dependent crosstalk with myeloid dendritic cells. PLoS ONE 7(4): e32588. doi:10.1371/journal.pone.0032588. 北原 真樹(乳酸菌担当) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 日本乳酸菌学会2012年度大会 (於つくば国際会議場)参加報告 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本乳酸菌学会(学会HP: http://jslab.jp/)は前身の研究集談会を含めて20 年続く学会です。その日本乳酸菌学会の2012年度大会が7月12-13日につくば国際 会議場にて、開催されました。本年度も大学や研究機関だけでなく乳業メーカー をはじめとする企業の方が参加をしていました。一般講演40演題と特別講演(高 圧下の微生物生理と生体膜の動態)が発表されました。講演の内容を大きく分け ると乳酸菌と宿主の免疫に関する演題と乳酸菌の代謝や代謝産物に関する演題が 8割を占めていました。これは乳酸菌が人の健康や食に大きな利益をもたらすこ とを反映しており、その関心の高さを窺い知ることができました。これらの研究 でJCMの菌株が多く利用されており、JCMが果たすべき役割の大きさを再認識する こととなりました。今後も乳酸菌の分野の研究者にJCM株を利用して頂けるよう、 新規株の開発や高付加価値化に努めていきたいと考えています。 入澤 友啓(特別研究員) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 新規公開微生物株(2012年6月公開) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 細菌 Bacillus pseudofirmus JCM 17055 Bacillus subtilis JCM 18293 Bifidobacterium animalis subsp. animalis JCM 7124 Bifidobacterium biavatii JCM 17299 Type strain Bifidobacterium callitrichos JCM 17296 Type strain Bifidobacterium pseudolongum subsp. pseudolongum JCM 7082 Bifidobacterium reuteri JCM 17295 Type strain Bifidobacterium saguini JCM 17297 Type strain Bifidobacterium stellenboschense JCM 17298 Type strain "Cellulomonas oligotrophica" JCM 17534 "Cellulomonas soli" JCM 17535 Deinococcus daejeonensis JCM 16918 Type strain Enterococcus sp. JCM 10521 Erythrobacter pelagi JCM 17468 Type strain Fusibacter tunisiensis JCM 17481 Type strain Lactobacillus nasuensis JCM 17158 Type strain Lactobacillus nasuensis JCM 17159 Lactobacillus sp. JCM 17160 Lactococcus sp. JCM 10523 Legionella nagasakiensis JCM 17450 Legionella oakridgensis JCM 17230 Legionella rubrilucens JCM 17837 "Lysinibacillus sinduriensis" JCM 15800 Nocardia iowensis JCM 18299 Type strain Nocardia rhamnosiphila JCM 18300 Type strain Nocardioides sp. JCM 18334 Peptoniphilus olsenii JCM 8174 Prauserella marina JCM 18301 Type strain "Streptomyces manipurensis" JCM 17351 Proposed type strain Streptomyces thinghirensis JCM 18306 Type strain Streptomyces youssoufiensis JCM 18307 Type strain アーキア Haloarcula sp. JCM 10924 Haloarcula sp. JCM 10925 Halobellus limi JCM 16811 Type strain Halobellus salinus JCM 14359 Type strain Thermoplasma acidophilum JCM 17946 Thermoplasma acidophilum JCM 17947 Thermoplasma acidophilum JCM 17948 Thermoplasma acidophilum JCM 17949 Thermoplasma acidophilum JCM 17950 Thermoplasma acidophilum JCM 17951 Thermoplasma acidophilum JCM 17952 Thermoplasma acidophilum JCM 17953 Thermoplasma acidophilum JCM 17954 Thermoplasma acidophilum JCM 17955 Thermoplasma acidophilum JCM 17956 真菌 Cryptococcus allantoinivorans JCM 12200 Type strain Cryptococcus musci JCM 13615 詳細は以下のサイトから検索できますのでご利用ください。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/catalogue_J.shtml ------------------------ ※ メールでの情報提供受信を中止されたい場合は、微生物材料開発室 (inquiry@jcm.riken.jp)まで「メールニュース不要」の旨をご連絡下さい。 ※ 当メールへのご質問などは、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp) までお送り下さい。 ※ 当メールニュース受信者各位機関のサーバーメインテナンス等によりメール ニュースをお届けできない場合でも、メールニュースの再発行は行いません。 発行済みのメールニュースは当開発室のwebサイトで公開しておりますので そちらをご覧下さい。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/mailnews.shtml ※ 本メールに記載された内容は予告することなく変更することがあります。 ※ 本メールに掲載された記事を許可なく複製・転載することを禁止します。 _____________________________________________ 発行 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室 (JCM) inquiry@jcm.riken.jp http://www.jcm.riken.jp/ 2012年7月26日 _____________________________________________