********************************************************* RIKEN BioResource Center - Japan Collection of Microorganisms JCM Mail News (電子メール版) No. 54 ********************************************************* 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM) が公開している微生物等の最新情報をお届けします。 ━━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 被災地の研究者へのバイオリソース無償提供について ● 今月のリソース紹介「新規カロテノイドを生成するHymenobacter属細菌」 ● 新規公開微生物株(2011年4月公開) ● 利用者による研究成果を更新しました ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 被災地の研究者へのバイオリソース無償提供について ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 東日本大震災の被災地の研究者の復興支援として、理化学研究所バイオリソー スセンターでは、当センターが提供したバイオリソースの中で、震災で利用不可 能となったバイオリソースを無償にて再提供いたします。また、震災の影響のあ った大学、研究機関、企業などで、当センターが保有するリソースをご希望の方 は 別途ご相談ください。 対象: 震災の直接的な影響のあった地域にある大学、研究機関等。具体的に は政府が指定する災害指定地域(災害救助法適用地区、但し帰宅困難で指定さ れた東京都は除く)にある大学、研究機関等 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014j2y.html 受付期間: 平成23年4月20日から平成23年9月30日まで 詳細は以下のサイトをご覧ください。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/shinsai.shtml ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 今月のリソース紹介「新規カロテノイドを生成するHymenobacter属細菌」 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ カロテノイドは動植物が持つ赤色や橙色、黄色の天然色素で、微生物において は、光合成の補助色素としての機能が最も良く知られています。カビや非光合成 細菌もカロテノイドを保有し、抗酸化作用や膜安定化作用が明らかとなっていま す。哺乳類や魚類にとって、カロテノイドはプロビタミンAとしての役割、癌や 虚血性心疾患などの生活習慣病の予防効果などが期待されることから産業的にも 注目されており、約600種類のカロテノイドが知られています。 2008年、カナダの氷河から分離されたHymenobacter属細菌が7種類の新規カロ テノイドを生成することが報告されました1,2)。これらの論文で研究された Hymenobacter属細菌15株は理研BRC-JCMに寄託されており、入手可能となりまし た。 'Hymenobacter algoricola' JCM 17214 'Hymenobacter antarcticus' JCM 17213, JCM 17215, JCM 17216, JCM 17217, JCM 17219, JCM 17222 'Hymenobacter elongates' JCM 17223 'Hymenobacter fastidiosus' JCM 17224, JCM 17227 'Hymenobacter glaciei' JCM 17225 Hymenobacter sp. JCM 17218, JCM 17221, JCM 17226 参考文献 1) Klassen, J. L. and Foght, J. M. 2008. Appl. Environ. Microbiol., 74: 2016-2022. 2) Klassen, J. L. et al. 2009. Tetrahedron Lett., 50, 2656-2660. 飯野 隆夫(菌株担当者・好気性細菌) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 新規公開微生物株(2011年4月公開) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 細菌 "Acinetobacter kyonggiensis" JCM 17071 Proposed type strain Amycolatopsis thailandensis JCM 16380 Type strain Fructobacillus tropaeoli JCM 16675 Type strain Gluconacetobacter liquefaciens JCM 17689 Lactobacillus kimchicus JCM 15530 Type strain Lactobacillus koreensis JCM 16448 Type strain Lechevalieria roselyniae JCM 17494 Type strain Myroides marinus JCM 16529 Type strain "Sphingomonas ginsenosidimutans" JCM 17074 Proposed type strain "Streptococcus fryi" JCM 16387 Proposed type strain Streptomyces iranensis JCM 17327 Type strain アーキア Haloarcula salaria JCM 15759 Type strain 真菌 Aspergillus japonicus JCM 17146 Aspergillus niger JCM 17144 Aspergillus niger JCM 17145 Aspergillus sp. JCM 17148 Fusarium solani JCM 17147 Hypomyces chlorinigenus JCM 15809 Hypomyces chlorinigenus JCM 15810 Hypomyces chlorinigenus JCM 15811 Hypomyces chrysospermus JCM 15815 Hypomyces chrysospermus JCM 15816 Hypomyces chrysospermus JCM 15817 Hypomyces chrysospermus JCM 15818 Hypomyces melanocarpus JCM 15808 Hypomyces microspermus JCM 15819 Penicillium adametzii JCM 17140 Penicillium expansum JCM 17141 Penicillium simplicissimum JCM 17143 Penicillium sp. JCM 17142 Pleospora herbarum JCM 13156 Sepedonium chlorinum JCM 15812 Sepedonium chlorinum JCM 15813 Sepedonium chlorinum JCM 15814 詳細は以下のサイトから検索できますのでご利用ください。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/catalogue_J.shtml ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 利用者による研究成果を更新しました ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ JCMにおける事業の重要な目的のひとつは、利用者の皆様の研究に貢献するこ とです。提供したJCM株から多くの優れた研究成果が生まれています。JCM株が利 用された論文の情報をホームページに掲載しています。論文情報には利用された JCM株を、また各JCM株のカタログページにはその株が利用された論文を、それぞ れ記載しています。 詳細は以下のサイトをご覧ください。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/result_J.shtml 今後の継続的な事業実施のため、JCM株を利用した研究成果を発表されましたら、 是非とも、微生物材料開発室 (inquiry@jcm.riken.jp)まで論文情報をお知らせ ください。 ------------------------ ※ メールでの情報提供受信を中止されたい場合は、微生物材料開発室 (inquiry@jcm.riken.jp)まで「メールニュース不要」の旨をご連絡下さい。 ※ 当メールへのご質問などは、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp) までお送り下さい。 ※ 当メールニュース受信者各位機関のサーバーメインテナンス等によりメール ニュースをお届けできない場合でも、メールニュースの再発行は行いません。 発行済みのメールニュースは当開発室のwebサイトで公開しておりますので そちらをご覧下さい。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/mailnews.shtml ※ 本メールに記載された内容は予告することなく変更することがあります。 ※ 本メールに掲載された記事を許可なく複製・転載することを禁止します。 _____________________________________________ 発行 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室 (JCM) inquiry@jcm.riken.jp http://www.jcm.riken.jp/ 2011年5月13日 _____________________________________________