JCM Mail News No. 9

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RIKEN BioResource Center - Japan Collection of Microorganisms
            JCM Mail News (電子メール版) No. 9
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独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM)
から公開している微生物等の最新情報をお届けします。

━━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
● IAMカルチャーコレクション株の理研BRC-JCMへの移管について
● 今月のリソース紹介
● 新規公開微生物株(2006年11月公開)
● 今月のFAQコーナー
● 微生物ゲノムDNA試験提供のお知らせ
● 微生物株の寄託ならびに公開の証明書の発行
● JCM微生物株カタログ第9版 (2005年)について

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┃  IAMカルチャーコレクション株の理研BRC-JCMへの移管について
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東京大学分子細胞生物学研究所のIAMカルチャーコレクションで保有されている
株のうち、微細藻類を除く全菌株(細菌、酵母、糸状菌)が理研BRC-JCMに移管
されることになりました。これらは平成19年4月からJCMから提供が開始される
予定です。なお、乳業分野における抗生物質試験菌Geobacillus
stearothermophilus IAM 12043はJCM 14450として、平成19年1月1日から提供を
開始いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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┃  今月のリソース紹介
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多国間型国際協力プロジェクト「アジア地域の微生物研究ネットワークに関す
る研究 (Asian Network on Microbial Researches, ANMR)」の一環およびそれ
以前のタイ国との共同研究によって発表されたタイ国産の新種酵母50株が公開
されていますので、ご利用ください。
Tはその種のtype strainであることを示しています。
Bensingtonia musae          JCM 8801T
Bensingtonia thailandica    JCM 10651T, JCM 10652, JCM 10653, JCM 10654,
                            JCM 10655, JCM 10656, JCM 10657, JCM 10658,
                            JCM 10659, JCM 10660
Bullera arundinariae        JCM 11818T
Bullera panici              JCM 11819T
Bullera penniseticola       JCM 9857T 
Bullera sakaeratica         JCM 11900T, JCM 11901
Bullera siamensis           JCM 11820T, JCM 11821, JCM 11822 
Bullera koratensis          JCM 12878T 
Bullera lagerstroemiae      JCM 12877T 
Candida stellimalicoa       JCM 3546T 
Kockovaella barringtoniae   JCM 10998T
Kockovaella imperatae       JCM 7826T 
Kockovaella thailandica     JCM 7824T, JCM 7825, JCM 9859, JCM 9860,
                            JCM 11000 
Kockovaella sacchari        JCM 9858T, JCM 10999 
Sporobolomyces blumeae      JCM 10212T 
Sporobolomyces nylandii     JCM 10213T, JCM 10214, JCM 10215
Sporobolomyces poonsookiae  JCM 10206, JCM 10207T, JCM 10208, JCM 10209,
                            JCM 10210, JCM 10211, JCM 11514, JCM 11515
Sporobolomyces vermiculatus JCM 10221, JCM 10222, JCM 10223, JCM 10224T
Tilletiopsis derxii         JCM 10217T 
Tilletiopsis oryzicola      JCM 10218T 
Tilletiopsis penniseti      JCM 10216T 
(担当:先任研究員 鈴木基文)

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┃  新規公開微生物株(2006年11月公開)
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細菌     Anaerovirgula multivorans            JCM 12857   Type strain
         Desulfotomaculum thermosubterraneum  JCM 13837   Type strain
         Glaciecola nitratireducens           JCM 12485   Type strain
         Lactobacillus vini                   JCM 14280   Type strain
         Lishizhenia caseinilytica            JCM 13821   Type strain
         Methyloversatilis universalis        JCM 13912   Type strain
         Paracoccus sulfuroxidans             JCM 14013   Type strain
         Pasteurella pneumotropica            JCM 14074   Type strain
         Pediococcus cellicola                JCM 14152   Type strain
         Tuberibacillus calidus               JCM 13397   Type strain
アーキア Natrinema ejinorense                 JCM 13890   Type strain
真菌     Polystigma ochraceum                 JCM 14166

      詳細は以下のサイトをご覧下さい。
        http://www.jcm.riken.jp/JCM/catalogue_J.html

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┃  今月のFAQコーナー
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Q.1 コレクションによってカビや酵母のtype strainの表記法が異なるのはな
ぜでしょうか?
A.1 菌類(キノコ、カビ、酵母の仲間)の命名に関する事柄は国際植物命名規
約 (International Code of Botanical Nomenclature) により定められていま
す。細菌で使われているtype strain(基準株)という用語は、この規約では使
用されていません。植物や菌類では、学名のタイプ(基準)は原則的に生きて
いるものであってはならず(例外的に、代謝が不活性な状態の凍結乾燥標品な
どはタイプとして近年認められるようになった)、乾燥標本や図版を指定しま
す。しかし、タイプより由来した生きた菌株は実用上有用であるため、「タイ
プ由来株(ex-type strain)」などのように正式には表記し、比較検討などの際
に用います。このように、菌類では増殖している菌株そのものは命名法上のタ
イプではなく、またtype strainという表記そのものも規約上認められていませ
んが、細菌を含む微生物株のユーザーに分かりやすくするために、特に酵母で
はex-type strainの代わりにtype strainを用いることがよくあります。なお、
キノコやカビでは培養困難なものが多く、また命名の出発点がリンネの時代
(1753年)までさかのぼるため、タイプ由来株が存在しないことがほとんどで
す。

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┃  微生物ゲノムDNA試験提供のお知らせ
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理研バイオリソースセンター(RIKEN BRC)遺伝子材料開発室ならびに微生物材
料開発室(JCM)では、JCMに保存されている微生物株由来ゲノムDNAの提供
準備を進めています。両材料開発室は、クローンならびに微生物の提供機関と
して世界的な事業を展開しておりますが、協力体制の下で行う事業は初めての
ことです。そこで、試験提供期間を設け、JCM保有株由来ゲノムDNAの提供事業
を行うことになりました。これまで両材料開発室ユーザーの皆様からのご要望
を多数承っておりましたが、提供がなかなか実現せずご迷惑をおかけいたしま
した。試験提供期間中も、皆様からのご意見を取り入れ、提供対象リソース数
も徐々に増やしていく予定です。詳しくは下記webページを参照してください。
        https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html

対象菌株及び用量
Pyrococus horikoshii JCM 9974(約2μgDNA/バイアル)
Thermus thermophilus JCM 10941(約5μgDNA/バイアル)

提供価格
学術機関:9,450円(送料・消費税込み)
非学術機関:12,285円(送料・消費税込み)

提供申し込み
遺伝子材料提供依頼書(書式A)1部と生物遺伝資源提供同意書(書式C)正本
2部を記入の上、下記までお送り下さい。尚、これらの書式は上記のwebページ
からダウンロードできます。
〒305-0074 茨城県つくば市高野台3-1-1
独立行政法人理化学研究所筑波研究所
研究推進部 企画課バイオリソースセンター受付

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┃  微生物株の寄託ならびに公開の証明書の発行
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 International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology
(IJSEM) 誌に新種等を発表される場合、あるいは本誌の Validation List に新
種等の掲載を依頼する場合、当該種等の基準株が2カ国以上のカルチャーコレ
クションに寄託され、一般に公開されることの証明が求められます。JCMではこ
の IJSEM 誌の方針に沿って、保存微生物株の寄託ならびに公開の証明書を発行
しています。(詳細は<http://www.jcm.riken.jp/JCM/Depositing_J.html>をご
覧下さい。)

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┃  JCM微生物株カタログ第9版 (2005年)について
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 RIKEN BRC では上記カタログを頒布しております。公開株8,059株 [細菌(放
線菌を含む)4,802株、アーキア(古細菌)204株、真菌(糸状菌および酵母)
3,034株、その他19株]が収載されています。販売価格は 5,250 円 (本体 5,000
円 + 税) で、海外の場合は送料が加算されます。

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※ メールでの情報提供受信を中止されたい場合は、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp)
  まで「メールニュース不要」の旨をご連絡下さい。
※ 当メールへのご質問などは、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp)までお送り下さい。
※ 本メールに記載された内容は予告することなく変更することがあります。
※ 本メールに掲載された記事を許可なく複製・転載することを禁止します。
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発行
独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター
微生物材料開発室 (JCM)
inquiry@jcm.riken.jp
http://www.jcm.riken.jp/JCM/JCM_Home_J.html
2006年12月27日
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