************************************************************* RIKEN BioResource Center - Japan Collection of Microorganisms JCM Mail News (電子メール版) No. 6 ************************************************************* 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室(JCM) から公開している微生物等の最新情報をお届けします。 ━━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 微生物ゲノムDNA試験提供のお知らせ ● 今月のリソース紹介 ● 新規公開微生物株(2006年8月公開) ● 今月のFAQコーナー ● ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)シンポジウムおよび パネル展示のお知らせ ● 微生物株の寄託ならびに公開の証明書の発行 ● JCM微生物株カタログ第9版 (2005年)について ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 微生物ゲノムDNA試験提供のお知らせ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 理研バイオリソースセンター(BRC)遺伝子材料開発室ならびに理研BRC微生 物材料開発室(JCM)では、JCMに保存されている微生物株由来ゲノムDNAの提供 準備を進めています。両材料開発室は、クローンならびに微生物株の提供機関 としてそれぞれ世界的な事業を展開しておりますが、協力体制の下で行う事業 は初めてのことです。そこで、試験提供期間を設け、JCM保有株由来ゲノムDNA の提供事業を行うことになりました。これまで両材料開発室ユーザーの皆様か らのご要望を多数承っておりましたが、提供がなかなか実現せずご迷惑をおか けいたしました。試験提供期間中も、皆様からのご意見を取り入れ、提供対象 リソース数も徐々に増やしていく予定です。 詳しくは下記のサイトをご参照ください。 https://www.brc.riken.jp/lab/dna/ja/JCMDNA.html 対象菌株及びDNA用量 Pyrococcus horikoshii JCM 9974(約 2 μg DNA/バイアル) Thermus thermophilus JCM 10941(約 5 μg DNA/バイアル) 国内提供手数料 学術研究機関 : 9,450円(送料・消費税込み) 学術研究機関以外:12,285円(送料・消費税込み) 提供申し込み 遺伝子材料提供依頼書(書式A)1部と生物遺伝資源提供同意書(書式C)正本2 部に必要事項をご記入の上、下記までお送り下さい。尚、これらの書式は上記 のサイトからダウンロードできます。 〒305-0074 茨城県つくば市高野台3-1-1 独立行政法人理化学研究所筑波研究所 研究推進部 企画課バイオリソースセンター受付 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 今月のリソース紹介 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ アーキア(古細菌)は1970年代後半に、リボソームRNAの解析によって発見さ れた、一般の細菌や真核生物とは系統学的に異なった一群の原核生物です。ア ーキアには嫌気的環境下でエネルギー代謝産物としてメタンを発生させながら 生育するメタン生成アーキア、塩田や塩湖など高い塩濃度で生育する高度好塩 性アーキア、温泉や海底熱水孔などから分離される好熱性アーキアなどが知ら れています。アーキアの発見当時にはごく少数の種しか知られていませんでし たが、いまではその種の数は250以上にものぼっています。また今日では28株も のアーキアについてゲノム情報が公開されています。こうした情報は遺伝学や 系統進化学などさまざまな研究分野で利用されていますが、その一方でアーキ アの遺伝子には機能未知のものも多く、今後のポストゲノム研究にも大きな期 待が寄せられています。以下にゲノム情報が明らかにされたアーキアのうち、 JCMから提供している菌株を紹介します。[ (T)は基準株を示します ] (学名) (JCM番号) Aeropyrum pernix JCM 9820 (T) Archaeoglobus fulgidus JCM 9628 (T) Haloarcula marismortui JCM 8966 (T) Halobacterium sp. JCM 11081 Methanocaldococcus jannaschii JCM 10045 (T) Methanococcus maripaludis JCM 13030 Methanopyrus kandleri JCM 9639 (T) Methanosarcina acetivorans JCM 12185 (T) Methanosarcina mazei JCM 11833 Methanosphaera stadtmanae JCM 11832 (T) Methanospirillum hungatei JCM 10133 (T) Methanothermobacter JCM 10044 (T) thermautotrophicus Natronomonas pharaonis JCM 8858 (T) Picrophilus torridus JCM 10055 (T) Pyrobaculum aerophilum JCM 9630 (T) Pyrococcus furiosus JCM 8422 (T) Pyrococcus horikoshii JCM 9974 (T) Sulfolobus acidocaldarius JCM 8929 (T) Sulfolobus solfataricus JCM 11322 Sulfolobus tokodaii JCM 10545 (T) Thermococcus kodakarensis JCM 12380 (T) Thermoplasma acidophilum JCM 9062 (T) Thermoplasma volcanium JCM 9571 (T) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 新規公開微生物株 (2006年8月公開) ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 細菌 Actinocatenispora thailandica JCM 12343 Type strain Actinocatenispora thailandica JCM 12344 Actinomadura hallensis JCM 13882 Type strain Actinomadura napierensis JCM 13850 Type strain Actinomyces israelii JCM 12964 Type strain Amycolatopsis benzoatilytica JCM 13851 Type strain Amycolatopsis plumensis JCM 13852 Type strain Arthrobacter nitroguajacolicus JCM 14115 Type strain Arthrobacter stackebrandtii JCM 14116 Type strain Brachybacterium muris JCM 14117 Type strain Gemella morbillorum JCM 12968 Type strain Gordonia araii JCM 12131 Type strain Gordonia effusa JCM 12130 Type strain Kitasatospora viridis JCM 14111 Type strain Kocuria carniphila JCM 14118 Type strain Kocuria himachalensis JCM 13326 Type strain Lentibacillus halophilus JCM 12149 Type strain Lentibacillus halophilus JCM 12150 Myceligenerans xiligouense JCM 14112 Type strain Nocardioides kongjuensis JCM 12609 Type strain Nocardiopsis aegyptia JCM 13853 Type strain Nonomuraea kuesteri JCM 13854 Type strain Promicromonospora aerolata JCM 14119 Type strain Promicromonospora vindobonensis JCM 14120 Type strain Pseudonocardia dioxanivorans JCM 13855 Type strain Rhodococcus imtechensis JCM 13270 Type strain Salinispora arenicola JCM 13856 Type strain Salinispora tropica JCM 13857 Type strain Streptomyces albidochromogenes JCM 13858 Type strain Streptomyces globosus JCM 13859 Type strain Streptomyces pharetrae JCM 13860 Type strain Streptomyces roseodiastaticus JCM 13861 Type strain Sulfurimonas paralvinellae JCM 13212 Type strain Sulfurivirga caldicuralii JCM 13439 Type strain Sulfurivirga caldicuralii JCM 13440 アーキア Haloterrigena limicola JCM 13563 Type strain Haloterrigena longa JCM 13562 Type strain 真菌 Ophiostoma davidsonii JCM 7867 ex-type Pesotum fragrans JCM 11616 Pesotum fragrans JCM 11617 Pesotum fragrans JCM 11618 詳細は以下のサイトをご覧下さい。 http://www.jcm.riken.jp/JCM/catalogue_J.html ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 今月のFAQコーナー ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今月は「生物遺伝資源譲渡同意書」および「生物遺伝資源寄託同意書」につい て(その2)です。 Q.1 JCMに寄託予定の菌株について現在論文を作成しており、その論文の引用を 提供条件としたいのですが、寄託同意書にはどの様に記載すればよいでしょ うか。 A.1 作成中の論文の情報(著者名、タイトル等)をご記入のうえ、投稿予定の 旨、明記してください。その情報により、同意書を締結いたします。論文が 発表されましたら、当該論文の別刷または情報(著者名、タイトル、雑誌名、 巻号、ページ、発表年)をJCMに速やかにお送りください。それに従って本同 意書を更新し、提供条件としてJCMホームページに記載します。なお、論文が 発表された時点で当該菌株は公開されますが、寄託者から論文の別刷または 情報が送付されるまでは本条件が付加されないものとして扱われますので予 めご了承ください。 Q.2 寄託した菌株の公開は現在作成している論文の発表後にしてもらいたいの ですが、同意書にはどの様に書けばよいでしょうか。 A.2 同意書には書く欄がありませんが、寄託の際に寄託目的とともにお知らせ ください。ご希望に沿うように対応させていただきます。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)シンポジウムおよびパネル ┃ 展示のお知らせ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日本遺伝学会第78回大会の関連集会として、ナショナルバイオリソースプロ ジェクト(NBRP)のシンポジウムおよびパネル展示が下記の要領で行われます。 【シンポジウム】 日 時:2006年9月27日(水)13:00~18:00 会 場:エポカルつくば3階 中ホール300 【パネル展示】 日 時:2006年9月25日(月)、26日(火)9:00~17:00 27日(水)9:00~18:00 会 場:エポカルつくば1階101、102 理研BRCも事業内容の紹介を行いますので、是非ご参加下さい。なお、このシ ンポジウムおよびパネル展示は一般公開されますので、学会への参加登録や参加 費は必要ありません。 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ 微生物株の寄託ならびに公開の証明書の発行 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ International Journal of Systematic and Evolutionary Bacteriology (IJSEM) 誌に新種等を発表される場合、あるいは本誌の Validation List に新 種等の掲載を依頼する場合、当該種等の基準株が2カ国以上のカルチャーコレクション に寄託され、一般に公開されることの証明が求められます。JCMではこの IJSEM 誌の 方針に沿って、保存微生物株の寄託ならびに公開の証明書を発行しています。(詳細は http://www.jcm.riken.jp/JCM/Depositing_J.html をご覧下さい。) ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃ JCM微生物株カタログ第9版 (2005年)について ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 理研BRCでは上記カタログを頒布しております。公開株8,059株 [細菌(放線菌 を含む)4,802株、アーキア(古細菌)204株、真菌(糸状菌および酵母)3,034株、 その他19株] を収載されています。販売価格は 5,250 円 (本体5,000 円 + 税) で、海外の場合は送料が加算されます。 ------------------------ ※ メールでの情報提供受信を中止されたい場合は、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp) まで「メールニュース不要」の旨をご連絡下さい。 ※ 当メールへのご質問などは、微生物材料開発室(inquiry@jcm.riken.jp)までお送り下さい。 ※ 本メールに記載された内容は予告することなく変更することがあります。 ※ 本メールに掲載された記事を許可なく複製・転載することを禁止します。 _____________________________________________ 発行 独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンター 微生物材料開発室 (JCM) inquiry@jcm.riken.jp http://www.jcm.riken.jp/JCM/JCM_Home_J.html 2006年09月20日 _____________________________________________