「Pseudozyma tsukubaensis JCM 10324T株の細菌のコンタミネーション」のお知らせの詳細

2015年 12月 14日

 菌類の一種であるPseudozyma tsukubaensis JCM 10324T 株は、1972年にH. Onishi 氏により報告され、旧財団法人発酵研究所(IFO)等に寄託されました。JCMは本株を1998年にIFOから入手し、同年より公開して提供をしてまいりました。この度、内部の品質検査において、細菌がコンタミネーションしていることが判明しました。
Pseudozyma属菌は寒天平板培地上で多様なコロニー形態を示すことがあり、本株に混入していた細菌のコロニー形態が、真正のJCM 10324T株のコロニー形態と酷似していたため、受入時(1998年)の検査ではコンタミネーションを発見することはできませんでした。
また、JCMは2011年に菌株の受入検査として rRNA遺伝子塩基配列の検査を導入し、報告された塩基配列との同一性の確認を行っています。それ以前に受け入れた菌株については順次検査を行っており、その過程で本株のコンタミネーションが発見されました。
純化作業を行い、純化株を得て、rRNA遺伝子塩基配列の検査により真正な株であることを確認した標品が提供可能となりました。

 今回、Pseudozyma属菌を取り扱う際には、コロニーの多型性に注意を払いコンタミネーションの有無を確認する必要があることが明らかとなりました。今後は平板培地上でシングルコロニーを成熟させ、コロニー形態を注意深く観察することにより、コンタミネーションの有無の確認を行います。また、複数のシングルコロニーのrRNA遺伝子塩基配列の検査による同一性の確認を行い、菌株の品質向上に努めてまいります。ご理解とご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

 なお、JCM 10324T 株の利用者には、陳謝、利用中止の要請、純化株の提供案内ならびに経緯の説明の連絡を差し上げております。

 本件に関するご質問やご要望等がございましたら、inquiry.jcmriken.jpまでご連絡いただきますようお願い申し上げます。



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